「ユングの心理学」という本からの抜粋です。
『しだいにユングは、自分の考えの中に、彼自身のものと、内なる声である女性のものとを区別できるようになった。大切なことは、これらの無意識の内容を人格化することで意識的な自分自身との間を分けることであり、さらに、その内なる声を意識と関係づけて、無意識的で圧倒的な強さを持つ力を除くことであるとユングは述べている』
この文章からすれば、無意識と意識の橋渡し役としてアニマを位置づけたことにユングは成功したと思われます。
意識は無意識から0.5秒遅れると言われています。つまり私たちは無意識の支配下にあるわけです。でもユングはアニマを使って無意識が「何を思っているか」を意識に登らせたとも言えます。
普通は心の世界は目に見えないし未知の世界です。でも私の意識でしか考えられないから、私が決めて行動してる。。。そんなふうに錯覚してます。だから、ユングさんの発見はめちゃめちゃすごいです。内側で聞こえた「声」を分析することで、意識と無意識とを区別してるからです。それによって初めてふたつの間の情報交換に成功してるからです。アニマやアニムスは、そんな橋渡し役であり、それまでは意識すらできない未知に領域を無意識として分けて、そこから情報をキャッチすることに成功したんだって思います。
ユングはすごいことに成功したのだと思いました。私たちは無意識から伝達される信号を0.5秒後に知覚して思考や行動をするしかないと考えられているのだと思います。これは一方的に受け身な状態で完全に無意識の支配下にあると言えるのだと思います。しかしユングはアニマの存在を発見して彼女が無意識との橋渡しをしてくれることを認知することに成功したのだと思います。それによって今まで全く覗き見ることができなかった無意識が何を考えているのかといったことが分かるようになったのだと思います。ユングはアニマとの関係性を確立することで無意識を見るという今までになかった視点とその手法を発見したのだと思いました。
無意識と一体化してしまっている状態では、無意識は意識に上ってくることはないのだと思います。ユングは内なる声を人格化し、意識している自分のモノとは別の物として意識することで、その声の大元の無意識に切り込むことをしたんだと思いました。無意識の影響は、意識せずしてとても大きく受けているのだと思います。それが声になって聞こえてきたときに、それを意識からの声、自分の声とせずに、無意識からの声として人格を与えるということをしたんだと思います。0,5秒遅れる意識が無意識を先に知ることはとても難しいことのはずと思います。でもユングは自分に聞こえた女性の声を大事にして、そこから意識することが難しい無意識の世界を探求したんだと思います。
本当に無意識が思っていることって、私には全くわかっていないことがほとんどです。ユングは橋渡し役を自分の中のアニマが担っていると見抜いたなんて、すごい観察力です。自分と違う考えが自分を形成しているなんて、誰も思っていなかったと思います。そのアニマと大議論できたユングは好奇心の塊な気がしてきました。ユングが長いものに巻かれても巻かれないものを持っていたと思います。
ユングさんは、自分の中に、自分自身のものと、内なる声である女性のものとを区別できるようになったのだと思います。それをする上で、大切なことは、漠然と感じるような、この内側の矛盾について、人格化したことなのだと思います。「無意識の部分」について「意識の部分」と、分けて区別することができたのだと思います。・・・すごいです。愛のお話にも通じるかもしれないですが、まずは、その「差」を認識されたのだと思います。それで、差に気がつくことで、二つが区別できたと思います。内なる声を、意識にのぼらせることで、圧倒的な強さをもつ無意識の力を認識することができたのだと思います。「アニマ」と名づけて認識した人格によって、無意識と意識を橋渡しすることができたのだと思います。むちゃくちゃ画期的です・・。。無意識の支配下にあっても、アニマという人格を使って、無意識が何を思っているのか、意識にのぼらせることができたのだと思います。
橋渡し役というのが、抜粋された内容とピッタリだと思いました。橋渡し役は圧倒的な強さを持つ力は抜かれているけれど、決定的な役割をしていると思いました。アニマの言葉に耳を傾け、ユングさんは無意識が何を思っているのかを聞いていたのだと思いました。
ユングの無意識と意識の関係はすごい成果だと思いましたが、内容が難しく感じました。もりけんさんの解説で、ぐっとわかりやすく感じました。圧倒的な力を持つ無意識をアニマやアニムスが意識に認識させてくれるのだと思いました。アニマやアニムスの発見はとてもすごいことだと思いました。
意識と無意識の境目は私にははっきりしない感じです。ユングは無意識からの内容に人格を持たせたことで、意識と無意識を分けることができたのだと思います。アニマという存在がリアルになったことで、無意識が見えてきたのだと思います。そして無意識は圧倒的な強さを持っていることが分かったのだと思います。凄い探究心だと思いました。