映画「ワンネス」 カメラの視点

2013/03/14 7:20 AM

 
 私は初めて監督をします。
 この話をもらって以来、時間の許す限り、レンタルショップでDVDを借りてきて見ています。
 それで気づいたことがあります。
 
 カメラの視点という問題です。
 カメラは観客視点なのです。
 
 ところが私たちの日常は違います。
 自分の視点で見ています。
 
 小説を書くとき、視点は自由に移動できます。
 Aさんの視点からBさんの視点に変化できます。
 
 ところが映画はそれが難しいです。
 だってそうでしょ、主人公の視点ならば、主人公自身が映るときは、鏡を見たときだけです。
 
 映画では、主人公を横から撮ったり、後ろから撮ったりしています。
 それは観客がその方向から見ると、理解しやすいからです。
 
 でも映画「ワンネス」では、それをしくたくはありません。
 なぜなら、「運命」がテーマのひとつだからです。
 私たちは、一寸先は闇です。
 
そういう世界で生きています。
 もちろん一寸先は光でもあります。
 
 だとすれば、カメラの視点も変わるはずです。
 観客視点で撮っていれば、ある程度の未来は予測できます。
 それじゃあ、つまんない。
 
 というわけです。
 うまくいけば良いのですが・・。


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コメント

  1. yuyu より:

    カメラの視点のお話はとても興味深いです。
    観客視点というのは、観客席の視聴者みんなと共有・共感し易いし、理解したと思わせます。
    でもこれは本当だろうか?という問いがあるように思いました。
    私小説は、登場人物の主観を描いています。私小説で視点が移動するのは、まるで生まれ変わりを思わせます。
    生の面白さは、主観にあると思うようになりました。
    観客との共有・理解を失わずに、如何に登場人物の生の主観を表出することができるか、観客にとっては登場人物に肉迫できるかの、カメラワークの挑戦なのだと思いました。

  2. keiko より:

    もりけんさんは、みながどうやったら楽しめるかということを考えて、試行錯誤しながら、作られてるような気がします。それを効果的なものにするために、他の作品もたくさん見ながら、研究されているのではないかと思います。

  3. より:

    主人公を映すときは、鏡を見たときだけ・・・ということは、その映像を見た私たちは、ある意味反転された主人公なのかもと思います。
    日常生活では自分の視点しかないというのに、頷かされました。
    誰だってそうだと思います。
    他の人の視点は、想像したりすることはできますが、全く同じではないと思います。
    この映画は、「でもできるだけ自分の視点を変えてみたら?」ということを伝えたいような気がしました。
    あと「運命」について、映画を観た人全員が問われることになるのだと思いました。

  4. まんじゅう より:

    未来を予測できない、に、主人公たちの気持ちに、より寄り添えそうな気がしました。色んな場面展開に、景色はいっぱい変わって・・主人公たちと一緒に体験できる映画に、ワクワクドキドキが大きくなりそうです。。

  5. より:

    視点を変えるというのは、ある意味、別の空間にいる自分を体験するみたいな感じだと思ったからです。
    でも、違うかもしれませんが・・。
    未来を予測できてしまうのはつまらないと思われていて、今この瞬間にどう反応するか・・のほうが面白さが増すのかなと思いました。

  6. なんしぃ より:

    一寸先は光でもあるところにうれしく感じました。最近、アニムスのお話しを読んでから困ったときとかマイナスの出来事が日常で起こった時に側に理想の男性像がしかも今私は女性だから複数の無意識の理想のアニムスが来ているかもしれないと考えてみると、トラブルもちょっと起こって欲しいとか思うようになりニヤニヤしています。闇と光が瞬間的に相殺されて足したらゼロのように感じます。映画ワンネスのテーマは今まで私が知らなかった気がつかなかったテーマがたくさんあり、楽しいです。

  7. 和佳 より:

    あー…観客視点って…ほんとなにかある程度予測して見てるなって思いました。出来事やセリフはものすごい勢いでながれてくので…ちょっとぼーっとすると聞き取れなかったりすることあるんだけど…なんていうか周囲込の予測だったりで失敗した(聞き取りとか見逃しとか)過去にというか補正かけ見てるようなところあります。予測なしでいく映画なのだとおもいます。とても新しい感じがします。先入観というのが役に立たないようなところがあるのかなって感じました

  8. こはな より:

    映画「ワンネス」のカメラの視点は、わたしの見ている視点と同じなのだなと思いました。カメラが違うだけなのではないかと思いました。もりけんさんは、時間の許す限り、DVDを見ているのだなと思います。時間が主にしているみたいだと思いました。あくまで私の勝手な想像ですが、素敵だと思いました。

  9. まるこ より:

    すごく面白いと思いました。例えば主人公の彼女が彼の後ろからこっそりと近づいているとき、観客視点のカメラだと、主人公の前から彼をとって彼女が近づいているのを見せるというやり方になるのだと思います。でも主人公の視点なら、彼女が近づいていることは分からないはずです。カメラを主人公視点にすることは、まさにその人物を生きるということであり、一瞬先は闇の運命を彼、あるいは彼女となって体験することのなのだと思いました。運命プログラムの人生化の瞬間を生体験する、とてもリアルな視点だと感じます。

  10. みっく より:

    一寸先は闇でもあり、同時に光でもあるのだと思います。何が起きるかわからない世界・・それを映画でも表現しようとされていると思います。なんだかドキドキの世界だなと思います。それにはカメラの向け方、とり方がとても大事になってくるんだともいます。

  11. moka より:

    一寸先は闇・・・でも、光もあるんだと思いました。初めての監督だから、たくさんのDVDを見て、他の監督さんの仕事を観察されているんだと思いました。観客視点というのは、全体が映っていて・・・歩いている先に穴が見えれば、観客は「あー、あの穴に落ちるのかな」という未来を簡単に予想出来るんだと思います。そんなに簡単に予想出来たらつまらない・・・なので「ワンネス」は、そういう観客視点を使わずに、映画を撮りたいんだと思います。視点を変えた撮り方ってもりけんさんが初めてなのかなと思いました。

  12. 桃有 より:

    横からとったり後ろからとったりすれば、主人公を取り巻く状況がわかり、未来がある程度わかったりするのだと思いました。でも実際の生活では、見えているものは限られてくると思いました。だから、一寸先は闇だったり、光だったりするのだと思いました。ドキドキはらはらの運命の問題をカメラの視点で挑戦されるのだな思いました。映画初のカメラの視点でとってもすごいことなのだと思いました。

  13. どせい より:

    もりけんさんは、沢山の映画を見られて、「カメラの視点」という問題に気がつかれたのだと思います。私は、普段、何気なく映画を見ていますが、映画におけるカメラの視点というのは、「観客視点」であったのだと思います。だから、現実には、このような視点というのは有り得ないのだといます。

    また、小説を書くときは、「視点」というのを自由に移動させることができますが、映画では、これが難しいのだと思います。視点を移動させているように見えても、あくまで観客の視点であって、視点移動しているようでしていなかったのだと思います。

    「ワンネス」では、この問題に切り込まれて、登場人物の視点に近い視点となるよう工夫されたのだと思います。それは、未来が予測できない、一寸先は闇でもあり光でもある・・・そういう視点なのだと思います。・・ドキドキです。

  14. 小町 より:

    レンタルしたDVDを時間が許す限り見ていると思いました。映画の視点は小説や日常の視点と大きく変えていると思います。普段は自分の視点しか無いと思います。小説では主人公の視点であったり登場人物の視点であったりが出来るので、視点の変化を楽しめると思います。映画ではカメラはいろいろな角度から撮っているのは見てわかる視点や絵になる視点を見ていると思うし見せていると思います。「ワンネス」は未来を見えていない状態にするのかと思います。時間の経過は今と過去だけしか、認識できないと思います。視点が限定されていると思います。見る角度で印象が違うことはとても多いなと思います。先の見えない未来への視点が隠されていると思ってきて、緊張感を感じてしまうと思います。

  15. まりん より:

    カメラの視点が観客視点というのは、たくさんのDVDを見られて発見したことなんだと思いました。なぜそうなのか?は、観客が主体であるから、観客が見てわかりやすような視点にしたんだと思います。だから、観客には、映画の登場人物以上に未来も見えて、現状も見えてます。でも「ワンネス」では、映画の登場人物たちと観客は、一寸先は闇か光かはわからないのは、同じなんだと思います。とても斬新なカメラの視点です。同じ土俵にたてるというのは、「ワンネス」そのものだなって思います。

  16. ばらんす より:

    主人公がしゃべっている時、観客視点なら、その主人公の表情をとらえたりとか、その場面全体を映したりしています。でも、主人公を表現する方法に、主人公の視点を入れることもあるんだと思いました。その視点は限定的で、先が見えない、私たちの普段の視点なのだと思います。先のことや自分自身のことさえ、見えていないそんな映像でもあるなぁと思いました。観客視点は安心して見ることができるのかと思いました。普段の生活は、そう見えると楽なのにと思わず思いました。「ワンネスス」はちょっと安心できないようなそんな現実の臨場感のある映像になるのかなと思いました。

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