映画撮影ではカメラ目線がタブーだと書きました。
それでも俳優がカメラのレンズギリギリを見つめるシーンとかがあります。
そのときは助監督が棒の先にピンポン球を付けてカメラのレンズぎりぎりに近づけます。俳優はそれを見れば良いのです。ピンポン球が無いと、誤って視線がレンズに向かう瞬間が起こりうるからです。
僕は監督ですが映画にも登場しています。それも最初のシーンです。
パトカーのリアウインドウに顔を近づけてのたうち回るのです(笑)。
この時、僕が一番心配したのがカメラ目線でした。
外からリアウインドウのほうを見ると、空の雲とかが反射してカメラのレンズの位置がわかりません。外すべき対象が見えないというのは、逆にプレッシャーでした。
あとで画像を確認すると何とか外せたようでした。
というわけでカメラ目線というのは結構シビアなのです。
監督はパトカーのリアウインドウに顔を近づけてのたうち回りながらも、カメラ目線を意識されていたのだなと思いました。車のリアウインドウには太陽の光や雲が反射して、カメラのレンズを確認するのも大変だったのだと思いました。さらに、カメラのレンズから視線を外さなければいけないなど、俳優さんは周りのいろんな状況をインプットしながら演技しなければいけないのだなと思いました。
映画でカメラの近くを見るシーンでは、棒の先にピンポン球をつけて、それを見るようにして、ギリギリで視線をはずさせるのですね。
森田監督が出るシーンでは、リアウインドウに風景が反射して、カメラの位置が分からなくて、とても気を使われたのだなと思います。
それだけ、カメラ目線というのは、間違ってもやってはいけないシビアなことなのだと思います。
カメラ目線がそこまでシビアな問題だとは思いませんでした。通常の映画はそこまでして俳優が観客と目を合わさないようにしているのだと思います。なぜだか分かりませんが、「あの世」と「この世」を思いました。俳優がカメラ目線になるということは、「あの世」から「この世」を眺めていて、突然「この世」の人がカメラ目線でこちら(「あの世」)を見るくらいのインパクトがあるのかもしれないと思いました。
わざわざピンポン球を用意してそこを見てもらう・・ということをするほど、カメラ目線はほんとにタブーなんだと思います。つい見てしまった・・というのが許されないって感じがします。もりけんさんが登場されるシーンはとても激しそうです。そんな激しい動きと、光の関係でカメラの位置が確認できないときでも、カメラ目線にはならないようにと、心配されてたんだと思います。