クランクアップの直後、ヒロインにインタビューをしました。
映画のパンフレット用です。
私は質問しました。
「お客さんにどんなところを見てほしいですか?」
「智也が成長してくる様子を見て欲しいです」
実は意外な答えでした。
私は主人公である智也の成長を描いたつもりはなかったのです。
でもヒロインの側からそう見えたことは、とても嬉しいです。
智也は最初、外の世界と切り離されていました。
難しい言葉を使えば、外の世界と疎外の関係だったのです。
疎外というのは愛と正反対です。
垣根を作ることだからです。
でも智也は次第に垣根が取れていきます。
彼にとって、自分を取り巻く世界が、愛の関係に変わってきたのです。
この点を意識して脚本を書いたわけではありませんでした。
だからヒロインから言われて、発見したのです。
ワンネスは愛の物語だったのです。
それも、狭い意味の愛ではありません。
(続く)
周囲と繋がることは、周囲と愛の関係になることなんだと思いました。繋がる、与える、一つになる・・その姿は、とてもたくましくて、素敵になるんだと思います。
ヒロインは智也の成長がとても素敵で、うれしかったんだと思います。ますます好きになったんだと思います。そこをお客さんに見てほしいって思ってるんだと思います。
容子になりきってしまったヒロインだからこそ、そこまで感じたんだと思います。本当に素敵なヒロインです。
自分が演じた役のこういうところを見てほしい・・・とは言われず、真っ先に相手役のことを言われたところにも愛を感じました。脚本にはそういう意図が入っていないというところにも、今まで語られてきた成長や愛との違いを感じました。「ワンネス」は私たちが今まで持っている愛や成長の概念を大きく変えてしまう力を持っているのではないかと感じました。
智也の成長を映画で見たいと思いました。自分の気持ちを素直に出せたりとか、そういったことが相手に与えることになっていくことを思いました。受け取った相手との関係はおのずと変化していく思います。ワンネスは愛で、ともに成長していくんだと思いました。
容子役は、容子のままだから、智也が、本当に大好きなんだ、と思いました。自分が大好きな智也を、観客に感じて欲しい。。かな、と。容子は、いつも外側に目を向けて・・容子が愛した、成長していく智也を、ドキドキで感じたいです。。