映画「ワンネス」 言いたいことがない映画

2013/05/04 8:09 AM

 ヒロインインタビューの続きです。
 彼女は言いました。
 
「最初に脚本を読んだとき、さっぱりわかりませんでした。アニマいう単語も知りませんでした。自分でも調べました。リハーサルでは演技指導を受け、そのあと映画の撮影が始まりました。少しずつわかってきました。この映画はすごいです。一度見ただけではわかりません。映画館に何度も足を運んで欲しいです」
 
 彼女は的確にモノを言う女性だと思いました。
 だってヒロインですら最初はサッパリ分からなかった(爆)
 
 しかしこれは嬉しかったです(笑)。
 私はわかりやすい映画を作るつもりはありません。
 わかりやすい映画というのは、監督自身が言いたいことが分かっている映画だと思います。それを作品にするなんてイヤラシイです。
 
 私がしたいのは問題提起です。
 こんな世界かも知れないよ、どうする?・・という問題提起です。
 
 言いたいことがある作品は、一度見て理解すれば終わりです。
 でも映画にそれがなくて、逆に問題を提起されたら、答え(仮説)を出すのは観客の側です。


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コメント

  1. まんじゅう より:

    監督の問いかけに・・「ワンネス」を観て、浮遊したいです~さっぱり分からない、容子が、自分なりに調べて、演じているうちに、感じた何か・・を、観る一人ひとりが、受け取る何か・・言いたいことがない映画は、観客の数だけ答えがある、拡散していく映画なんだ、と思いました。

  2. まるこ より:

    「ワンネス」という作品はそのものが「問い」なのだと思いました。「ワンネス」を観る人すべてに問い掛ける。そんな映画なのだと思いました。作り手からの明確なメッセージがない。意図がない。問いしかない。そんな映画は観たことないです。そういえば原作本の「神のなせる技なり」を最初に読んだときも、「わからない」と思いました。今から思えば当たり前だと思いました。答えを受け取るのではなく、問いを受け取っていたのですから。脚本も「問い」、監督も「問い」、俳優も「問い」、スタッフも「問い」、観客も「問い」。あらためてすごい映画だと思いました。

  3. どせい より:

    ヒロインの方の感想、とても的確だと思います。この映画のすごいところは、一度見ただけではわからなくて、何度も見ていくうちに少しずつ深さが分かってくるところなのですね。

    監督をされた森田さん自身、わかりやすい映画をつくるつもりはなくて、わかりやすい映画というのは、いわば「言いたいことがある映画」なのだと思います。そういう意味では、ワンネスは「言いたいことがない映画」ともいえるのだと思います。・・とてもすごいです。

    これだけの脚本・作品を作られながら、監督自身の価値観や主張を出されるのではなく、「問題提起」をされているのだと思います。逆に、問題提起をされたら、その「答え」は見る側に託されると思います。

  4. ばらんす より:

     問題的する映画なのだと思いました。映画を観ることで、スタートするんだなと思いました。普通は映画を観て、学びとかのメッセージがあったりして、それを得て満足するところがあると思います。でも、それは与えられたもので、それに疑いを持つこともないことが多いと思います。でも、ワンネスは問題を得て、自分で考えていくんだと思いました。その答えは、映画を観る人だけあっても良くいのかなと思うとなんだか解放される感じです。

  5. みっく より:

    最初はさっぱりわからなかったのが、少しずつ分かってくる面白さをヒロインはとても感じて、それを伝えてくれたと思いました。ヒロインがそういうのだから、これは何度も見ないわけにはいきません(笑)ヒロインにそういうわせる脚本も本当にすごいと思います。

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