映画「和」 3.11の正の遺産

2014/03/19 7:30 AM

  
 去年の7月、映画「和」の企画書ができました。
 タイトルは『このままでよい』です。
 以下、本文です。
 東日本大震災は負の遺産を残したと言う人が大変に多いです。
 例えば『がんばろう日本』という標語です。これは「こんな辛い状況でも、強く生きていかなければならない」というメッセージです。
『震災の記憶を忘れない』も良く耳にする言葉です。
 それは辛い経験だったけど、強く生きていかなければならない的な負の遺産の側面が強いです。
 日本人が駅の階段に並んで寝たり、暴動にならなかったりして、外国から賞賛されたことは正の遺産です。しかし当の日本人が忘れていることです。
 多くの人は今のままの日本人でいいという意識はほとんど無いと思います。
 変わらなければいけない、もっと成長しなければダメだと思っている日本人が大半です。
 以上が企画書の一部です。
 このドキュメンタリーは『このままでよい』を撮るのです。
 ところで頑張るとか努力するという言葉の裏には、その対象に対して、肯定的な思いを持っていないと言えるのではないでしょうか。
 言い方は悪いですが、「イヤイヤやる」のが「がんばる」みたいな・・。


シェアしましょう !



コメント

  1. まるこ より:

    いまのままの日本人でよいと思っている日本人は驚くほど少ないと思います。いままで生きてきてそういう声を聞いたことはほとんど無いですし、自分自身も日本人や日本を語るときに、外国と比較して負の方を語っていたと思います。じゃあ、自分が日本人や日本をほんとうにダメだと思っていたのかと言うと、それは自分の意見ではなかったような気がします。周りがいつもそういうことを言っているので、自分もそれに流されて日本のことを語るときは負を語るもの。勝手にそう思い込んできたようなところがあるような気がします。どうしてそんなに否定ばかりし続けてきたのか。考えてみればとても不思議です。ガンバルも「このまま」の否定だと思います。そうかんがえるとほんとうに否定ばっかりです。「このままでよい」を撮った「和」は、初めて日本人があるがままの日本人で生きることを肯定する。その大きなきっかけとなる映画ではないかと思います。

  2. みっく より:

    頑張ったことは、イヤイヤやってるから認めてほしいとか褒めてほしいと思うのではないかと思いました。好きでやってることは別に褒められたくもないし、褒められてもうれしくないと思います。褒められたいからイヤイヤやるのかも…と思ったりしました。そのことがほんとにしたいのではなく、そうして頑張ってる自分になりたいだけなのかも・・とも思いました。
    人に頑張れというのは、その人に何かを我慢してイヤイヤやりなさいと言ってるようなものなんだと思いました。今日は子どもの卒業式で・・・いっぱい「頑張る」「努力」という言葉を聞いてきました。夢や希望という言葉もいっぱいでした。子供たちにこのままでいいよ…といった人は誰もいなかったし、子どもたちの言葉もほとんどが頑張ります・・でした。
    震災問い言う大変な事態で、日本人のいいところが表に出たんだと思います。何も頑張らなくても日本人は海外から褒められるような行動をとたのだと思います。でも誰も褒められたくてそうしたのではないと思います。このままで素晴らしいのに、このままではいけない…ということばかりがクローズアップされてしまうんだと思います。そんな中、「和」は「このままでよい」を映画にされたんだと思います。

  3. なんしぃ より:

    このままでよいという言葉は、言われた側も言った側もとてもうれしい言葉だと感じました。頑張るという言葉を他人にも自分にも言ってきましたが、とても失礼な言葉である感じがして、平時であっても自分にも他人にも言えないと感じました

  4. どせい より:

    「がんばろう日本」は、一種のプロパガンダに近いのではないかと思います・・。戦争で言えば、「欲しがりません、勝つまでは」みたいな、感じです。
    震災に正の遺産と、負の遺産があるとすると、こういう標語は、負の面に焦点をあててしまっていたのだと思います。ですが、外国から賞賛された様子は、震災によって見えた、日本の正の遺産だと思います。それは、当の日本人が忘れていて、ほとんど意識していなかった部分だと思います。だとしたら、日本人の持つ、無意識的な部分なのかもしれないです。それは一言で言えば「このままでよい」ということなのだと思います。

  5. 小町 より:

    確かに東日本大震災の時も暴動にならないで、日本人は礼儀を忘れなかったのは、助けられたおばあさんに色濃く出ていました。そしてそれが普通だったため日本ではその記憶が忘れ去られようとしています。負の遺産は目に付きやすいです。悪いところは直すんだと改革に走る姿に似ていると思いました。そうすることでそれまであった良い部分も失われてきたかもしれないと思います。自分の良い部分は意識が行かないです。悪い部分はすぐに意識して、悪いのはダメってなってきます。無意識はその正の部分を担っている可能性があります。駅で寝ている人たちは仕方が無いと駅で寝ていました。みんな一緒だから仕方が無いと思う風景が外国では異例だとは今でも日本人は思ってもいないことだと思います。頑張ることはイヤイヤだというのも、言い得ています。学校の勉強を楽しいと思うことは少なかったけど、時間を忘れて読みふける本やマンガに書いてあるのはスッと頭に入りました(笑)先生が教科書以外でいう面白いエピソードは今でも覚えています。震災の記憶は意識すればつらい経験だと擦り込まれていると思います。でも生の遺産でもあるし、そちらを忘れやすいというのを「和」が出そうとするテーマだというのがいいなと思います。

  6. こはな より:

    映画「和」では、直接、震災のことは出てきてないと思います。でも「このままでいい」は、元気を無くしてしまったひとや、不安なひと・・に直接効くような気がします。元気だしてね!じゃなくて、元気のもとが映画の中に入っているんじゃないかと思いました。

  7. まりん より:

    つらいことや悲しいことや悲惨な出来事を乗り越えようとすればするほど、苦しくなります。まるで今のままでいいの?このままじゃダメだよと言われてるみたいだからです。負の遺産と正の遺産いう指摘にとっても衝撃を受けました。私はずっと負のことばかりしか見てこなかったんじゃないかと思ったからです。そこには正のことだってあるのかもしれないのに、そこには気づいてなかったんだと思います。日本人なのに、日本人の良さに気づいてないです。自分が意識で気づいてることなんて本当に一部でしかなくて、しかも負のことばかりなのだと思いました。「このままでよい」は何も目指す必要もなくて、ほかの誰かになる必要もないのだと思います。それは自分のまま。。。今のまま。。。生きてるだけで、すでに心底肯定されてるんだなって思いました。

© 2015 森田健 All rights reserved.