ここ数日間に渡り考え続けてきた件ですが、映画ワンネスの特徴として以下を付け加えました。
シュール(超現実的)
映画ワンネスは、シュール(超現実的)です。画像はミニマムにしか表現されていません。巨大なセットを使いリアリティを追求する昨今の映画と一線を画しています。
映画ワンネスでは電子(原子のひとつ)の世界が出てきますが、原子の種類は元々数えるくらいしか存在していません。それらが組み合わさって多様な世界が作られているのです。そして現実世界はすべてアナログです。
アナログの世界をいくらリアリティを持って描いたとしても、それは「結果」の世界を描写しただけであり、「原因」にはたどり着けないと思います。
東洋は見える世界よりも見えない世界を大事にします。ワンネスがシュールなのは、原因の世界に迫ろうとしたからです。
いくらリアリティをもたせても、おおがかりなセットを組んだとしても、ワンネスが迫ろうとしていることは、変わらないのだと思います。だからミニマムで十分なのだと思います。
現実世界はどこまで行ってもアナログの世界で「結果」の世界なのだと思います。その世界をいかに描写したとしても「原因」の世界に触れることはできないのだと思います。シュールな映画である「ワンネス」は「原因」の世界に接近するために「結果」の世界の描写を最小限に抑えてあるのだと思いました。監督ご自身も外側から観られるまで、このことに気づかれず、結果としてそうなっているというところがすごく興味深いです。まるで映画「ワンネス」という一つの時空探査機が、未開の「原因」の世界へと自動航行を始めている。そんな印象を受けました。