映画「ワンネス」 上智の卒業式

2013/10/04 8:02 AM

 
 きょうは少し話題を変えます。
 上智の卒業式です。
 学長はもちろん神父さんです。
 学長は言いました。
「社会に出たらまず給料三ヶ月分の貯金を作りなさい。もしも会社側と対立したとき役に立ちます。失業保険は三ヶ月たたないと支給されないからです」
 えーー、もっと愛に満ちた話が聞けると思いました。たとえば
「上智で学んだ愛を社会に出て実践しなさい。愛を持って接しなさい」…とか。
 しかし四年間学んだ私は、学長の言葉こそが、愛だと思います。
 愛は思いやりでもなければ、いたわりでもありません。
 差違を大切にすること…です。
 エデンを出たら個はひとりひとり違います。
 それを表出するのが愛なのです。
 とはいってもこれは私が上智で学んだ愛であって、みなさんのとは違うかも知れません。だって差違が大切ですし(笑)。
 明日からまた愛の教科書に戻ります。


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コメント

  1. まりん より:

    社会に出て行く学生たちへの学長の言葉は、理想でもなく、きれいごとでもなく、現実的なお話です。自分のため。。。それを一番に感じます。個をつらぬいて生きることへの最高のエールだって思いました。バチカンが作ったカトリックの大学は、1年最初の「人間学」から4年最後の卒業式まで、一貫して個を生きることであり、そのために地に足のついた具体的で実用的な処方箋だって思います。めちゃめちゃ心に響いてます。

  2. みっく より:

    学長さんの最後のお話は、本当に現実的で、どの生徒にも当てはまるお話だったんだと思います。夢や希望とは全然違って、ただ漠然と、頑張れっていうのでもなくて、カッコつけてなくて、とても素晴らしいお話だったんだと思います。それをしっかり覚えておられるのもすごいです。上智で学ばれた愛というのは、この言葉にも表れているのだと思います。思いやりやいたわりという、心地よいものが愛だと思ってたところがあると思います。でもそれでは、人間が持つ本当の意味での孤独は解消されないのだと思います。

  3. まるこ より:

    一般的に卒業式という場では、社会に出ていかに立派にやっていくかというお話が多いのではないかと思います。しかし上智の学長さんはそんなキレイごとのお話はされず、社会に出ても個性を大事にできるように貯金をしておきなさいと言われたのだと思います。つまり、いつまでも自分を大事にしなさい。自分を大事にし続けるために失業しても食っていけるように用意しておきなさいというメッセージなのだと思います。人間はエデンを出て自分以外の全てとの違いを知ったのだと思います。そんな自分という差異の塊を大切にすることが何よりも大事だと思われていたのだと思います。まさに人間学の授業で考察された愛に通じる言葉を式辞として贈られたのだと思いました。

  4. どせい より:

    学校を卒業して会社に入れば、組織の事情もあって、個人の意見と対立することもあると思います。その時、「ここで辞めたら、暮らしていけない・・」と思えば、対立する「個」を引っ込めて、我慢してしまうかもしれないです。夫婦やカップルでも、対立することがあった時、ここで分かれたらもうダメかも・・と思ったら、いいたいことがあっても我慢してしまうかもしれないです(笑)。

    学長さんは、このようなときでも、自分の意見を表出することを大切にされたのだと思います。これから社会にでる卒業生に対して、「まず三ヶ月分の貯金をつくる」というのは、めちゃめちゃ具体的なアドバイスでびっくりします。ですが、これがあれば、普通の人であっても、臆すことがなく、意見をいえるのだと思います。

  5. koil より:

    個の違いを大切にし表出すことが
    愛だとは思えませんでした。
    愛は相手を思うことではなく
    個々の差異を大切にすること。
    学長さんは社会に出ても自分の個を
    大切にしなさいと
    愛をといたのだと思いました。
    もっと考えます。

  6. こはな より:

    卒業式で学長さんであり神父さんがお話してくれたことは・・差違のある個、卒業するひとりひとりに送られた言葉だったのだと思います。上智大学に通われたので、もりけんさんはこの学長さんの言葉を聞くことが出来たのだと思いました。

  7. 和佳 より:

    興味深かったです。会社も母性も…なにか母体的なものは包む作用がつよいっていうか…全くスルーで ああはいはいと相手にされにくかったり…対立しにくいとこがあるかもって。でもなんかこのお話はバリッバリって感じします。なんていうか…ギリシャ神話の…ウラノスをおもいだされます。息子だったけどバリッバリの異性になったんだなって思い出されます。なんだか…上智の卒業生さんは会社と対立して並べるぐらいのできる そして異なる人として魅力ある生徒さんたちが卒業されてたんじゃないかと思いました。失業保険も対立した時に役立つって言われたことって無いと思います。ここにみえるのはセイフティーネット…社会保障的なものではないです。すっごい攻めの姿勢だなとおもいました。愛は冷たいか熱いかと言われれば…暖かい方だろうってはおもうんだけど…愛って次元を切り開くぐらい(ウラノスとかそうとおもうので!)めちゃ熱いんだなと思いました

  8. 和佳 より:

    なんどよんでもすごいです。会社と対立して…失業とかなったら資金源をうしなうわけだけど…三ヶ月分貯金してでもって一見合理的だけど何かそれだけじゃない熱ささというかそれ以上の熱というか…相手がどうあれ…存分に表現せよって感じたからです。そうでないと愛がない…それもえーーー…森田さんはそういう土壌を持って表現活動をされてたんだなぁって思いました。改めて森田さんの受け身なとこも感じる気がします。そしてこのお話はけっして信仰ををつらぬけとかじゃないのが人生へのエールみたいです…なんだか西洋的なものの本当に深いとこってそういう感じなのかなって…知らない神様のお話に振れる感じがします。

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