きょうはガイアについて書く予定でしたが、昨日の絵から元気をもらったというレスが多かったので(笑)、その事件の続きを書きます。
ビーナスは夫よりもイケメンのマルスと密会するようになりますが、そこに夫が乗り込んでくるのです。
この絵は、夫が来た瞬間です。
右からヌッと現れます。
マルスは超ビックリしています。
しかしビーナスはまだ恍惚状態です。
このあとどうなったかって
女は強いです。
「こんなところに乗り込んできて、いったい何のつもり?」
背徳のビーナスというあだ名もあるくらい、道徳的に責めても全く動じないのです。そして自信のあるビーナスはブスな夫なんてもうどうでもよくて、美形の男子を追いかけ続けるのです。
キリスト誕生より1500年も前にできたギリシャ神話は、まだ文字すらなかった時代、詩人たちが口述で「神と人間の本当の姿」を語り伝えてきたと言われているのです。
のちにユングは「原型」と呼ぶようになります。
乗り込んできた夫は道徳のようと思いました。夫にプイッと背を向けてマルスを追いかけるビーナスはずっと戯れていたいのかもと思います。
マルスはとてもびっくりしていると思いました。神であっても、未来を知らなかった感じがしました。人間と同じで、上から目線の偉い神ではなくて、きれいごとでもなくて、今を精一杯生きている感じがしました
恍惚のビーナスとびっくりするマルスの表情に、自分の中の「原型」が刺激されました (笑)ギリシャ神話の世界は現代人がイメージする神と人間の関係とは全くかけ離れています。「原型」ということはより自然体ということかなと思います。人間が神と自然体な関係を持てば、生命エネルギーが刺激されて生き生きとした世界が展開されそうです。そういう世界を古代ギリシャの詩人たちは伝えてくれているんだと思いました。