映画「ワンネス」 主題歌 2

2013/02/17 7:26 AM

20090729085028DSC05902sニューヨークのストンプ 
 原作である「神のなせる技なり」のあとがきには、こんな文章が出てきます。
 
ニューヨークではオフ・ブロードウェイのSTOMPというパフォーマンスを見てきました。
STOMPにはセリフや歌がまったくないので、英語がよくわからなくてもアメリカ人と同じように楽しめます。何をしているかというと、あらゆるものを音楽にしてしまうのです。高価で美しい音色を出す楽器はひとつも使われず、自らの体と身の回りのありきたりな物で音楽を作り出すのです。
私が感動したのは、ゴミくずからの音楽です。紙袋を優しくたたくと、とてもいい音がします。それをみんなでやるのです。それだけではありません。マッチ箱をたたく、ライターを開けたり閉じたりする、床に撒いた粉を擦るなど、一人一人の出演者だけを見ていると、それぞれ勝手に音を出しているようにしか見えません。誰が主役なのかもはっきりしません。オーケストラと違って髪を振り乱した指揮者もいません。なのに、全体として音楽が奏でられ、パフォーマンスが進むのです。神がいるとしたら、オーケストラの指揮者のように権威ある存在としてなのか、それともSTOMPの出演者の一人一人のような小さくか弱い存在なのか、どちらなのでしょうか。見ているとそんな問いが出てきました。
 
 あとがきからの引用は以上です。
 写真はニューヨークのSTOMP劇場の付近です。
 これを映画「ワンネス」でもやろうと思いました。
 主題歌の歌詞の一番はすでにアップしました。あれをSTOMP風に演奏するのです。
 ペットボトルやピコハンマーを使います。
 演奏するのは小学生です。
「何でも楽器演奏隊」と名付けました。 
 
 映画「ワンネス」では、最後のほうで、主人公の智也が大きな気づきに出会い、容子を追うシーンがあります。智也が走り抜ける場所に、「何でも楽器演奏隊」を配置しておきます。
 ラストシーン一歩手前で、自然体の楽器でテーマソングが演奏されるのです。
 
 これだってワンネスのひとつだと思っています。
 普通、映画のラストはちゃんとした楽器で、ちゃんとした演奏がされます。
 いつから音楽は、そうなってしまったのでしょうか?
 特別な人が、突別な楽器で演奏するように……。
 
 映画「ワンネス」には「特別ではない」というキーワードがあります。
 超人的なヒーローは出てきません。
 使命感に燃えた人も出てきません。
 どこにでもいる高校生、どこにでもいる小学生が登場するだけです。
 
私の話で恐縮ですが、私は不思議なことを研究していますが、凡人です。
 いえ、凡人でなければならないと思っています。
 凡人の私が体験することだから、他の人も同じように体験できると思っています。


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コメント

  1. 和佳 より:

    なんだかきょうも…おーーーーって思いました「特別でない」というのはキーワードなのですね。 普通のもの ふつうのコト どこにでもいる人 なんでも…主題歌はそういったもので構成されるのだなと思いました。あっ…映画の主題歌って…確かに思い出すと…後付で最後に真っ暗画面に音声がいきなり多重というかで唐突だったりちょっと特別状態かもです。そういうもの(様式というか)かとおもってて…あれっっ?!て…すごく興味深く思いました

  2. なんしぃ より:

    もりけんさんの本を読んだりすると追体験をしたいという気持ちになります。もりけんさんはいつも自分で体験して自分で現場に行き調査を続けながらその情報を公開し続けていると感じます。そんな時もしももりけんさんが非凡人で特別な存在であればそれは特別だから私にはきっと出来ないと思うと感じます。神も特別な存在だとしたら人間の私は神を生きることなどとうてい無理だと感じます。でも神がSTOMPのような1人ひとりがか弱い存在であればみんなで一緒になって楽しみながらパフォーマンスを夢中になってやって生きてみてもいいんじゃないかと感じます。もりけんさんの恋している神は、上から見下ろしたりしない人間を裁いたりしない権威を持って人間を指導するのでもない、ただ一緒になって楽器じゃないものいろんなものすべてを鳴らしてハーモニーを楽しんでいるそして全体としたらパフォーマンスになって言葉が通じない世界中の誰もがみんな楽しむことができて感動することができてそこには差別がなくどんな人もどんな生き方をしている人もすべて自然も自然現象もすべてが繋がっている感じがします。ワンネスの主題歌の演奏の仕方や楽器やなんでも楽器演奏隊にもワンネスを感じました。

  3. 如是 より:

    森田さんは私にとっては、とても凡人とは思えませんし、エリート中のエリートです。

    けれども森田さんは、エリートでありながら、世間一般のエリートの位置からアウトサイド(不思議)の視点で物事の道理(時空のルール)を観察され表現(仮説化)することのできる天才であり、縁のある凡人と対等に向き合ってくださる稀有な方というのが私の森田さんへの現在の認識です。(笑)

  4. まりん より:

    STOMPから出てきた問いから、「特別ではない」というキーワード、それに気がつけることがすごいなぁと思います。ついつい特別を目指そうとしてしまうからです。最後の「凡人の私が体験することだから、他の人も同じように体験できると思っています。」に涙がこみ上げてきました。同じ体験を共有できるのが「ワンネス」であり、「凡人」なんだなぁって思いました。

  5. みっく より:

    もりけんさん自身ご自分のことを凡人と思っていて、それに徹していると思います。特別な人にされかけても、そこからすぐに降りていると思います。今回、映画を作ることになってもそれは変わらず、凡人のもりけんさんでい続けるのだと思います。大半の凡人は、特別な人になりたいとか、特別な人はスゴイとか、思ってるのではないかと思います。私も恥ずかしながら、楽器が弾ける人がうらやましくなったり、すごいなと思うことがよくあります。これは特別なことをよしとしてると思います。凡人である自分を認め、そのままでいい・・と思うことは、できそうできていないです。もっともっと・・と思ってしまう。これは、なんだかこれまでお話を伺ってたワンネスではない・・と思いました。ほとんどの人は凡人で、神はそのように作っていて、それで充分なんだ・・と思います。

  6. 小町 より:

    ワンネスに登場する楽器も人物も特別な人はいないに、ジーンと思います。楽器はそこにあるものが使われていると思います。その演奏を聞いて、主題歌も流れると思います。周りは本当に音楽で溢れていると思います。凡人でいること、それがワンネスに繋がってくるのかと思います。

  7. こはな より:

    特別ではない、何でも楽器演奏隊・・誰でも参加出来そうだなとおもいました(^_^)・・ワンネスの主題歌の演奏、なんだかとてもかっこいいと思います☆

  8. 池田明紀 より:

    私はもりけんさんが凡人とは思いません。どちらかというと如是さんの意見に近いです。でも音楽の話は普遍的で誰もが参加できてとても良いなと思いました。

  9. moka より:

    映画音楽といえば、必ず楽器が必要で・・・また特別な練習をしなければその楽器たちを弾きこなすことは出来ないです。でも、特別な物を使わなくても出来る音楽があったんだと思います。「ワンネス」には「特別ではない」というキーワードがあるんだと思います。普通の高校生の物語なんだと思います。もりけんさんは特別な凡人・・という感じがします(笑)凡人がなれそうでなれない、でも同じことを体験できるかもしれない・・という親しみやすさがあると思いました。

  10. 桃有 より:

    神様は私を凡人に作ってくれたのだと思いました。凡人の自分で目いっぱい生きていかなければ、凡人に作ってくれた神様に失礼なのだと思いました。

  11. 935 より:

    子供の頃ってお箸でコップを叩いたり、気で板や木箱叩いたり・・・・即興で音楽作ったりして遊んだなって思いました。神は特別な人ではなくてここにいる普通の人のかたわらにいるんだなと思いました。

  12. yk より:

    特別でないことに焦点が当たることは少ないです。でも巷というか世の中のほとんどは、特別でないことで占められていると思います。
    超人的なヒーローが、格好良く問題を解決してしまえば、ヒーローなんだから当たり前だろうと思います。ヒーローしか解決できないんだったら、多くの人は関心なんてどうでもいいはずです。
    誰でもというスタンスは、全方位の視点を取り込み多くの人を巻き込む強力なものであると思います。「何でも楽器演奏隊」はこれまでの楽器奏者の上手いヤツがエライを引きずり下ろすぐらい、エポックメイキングになるんじゃないかと思いました。

  13. keiko より:

    もりけんさんを凡人とは思いませんが、凡人であろうとしている人だと思います。でも、そういう凡人でいようとする人なかったら、こうして、PCを通してでも、全くご縁のなかった人のように思います。「ワンネス」のは「特別ではない」というキーワードがあるのだと思います。ステキなキーワードだと思います。

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