映画「ワンネス」 GHQの将校は教会に入ると十字を切った

2013/03/25 7:28 AM

 
 東北大学で八木博士の下で研究していた先生(S教授)は八木博士が八木アンテナ(株)を設立したとき、研究所長に抜擢されました。
 その後、八木博士が亡くなり、同社を退社して無職浪々の身となりました。
 
 職業安定所に通っていた時、上智大学の学長から電話をもらいます。
 
「Sさん、私はあなたの一家には本当にお世話になりました。あの教会がなければ上智の学長になることもなかったかも知れません。ご縁です。明日、会っていただけませんか?」
 
翌日訪れると学長は電気電子工学科の教授になってくれと言ったのです。しかも翌日から勤務を開始してほしいと。
 そして教授生活が始まるわけですが、そこに私は研究室のゼミ生として入ることになるのです。
 おそらく先生の自宅に教会があったことが全ての縁の始まりだと私は感じます。
 
 この教会にはもうひとつのエピソードがあります。
 先生のお家は宮城県南部の大地主でした。第二次大戦後、GHQは財閥解体を命じます。その中には大地主も含まれていました。
 GHQのジープが止まりました。将校みたいなのが降りてきました。
 将校は驚きました。仏教信仰者でありながら、地域の人のためにキリスト教の教会を建てていたからです。
 将校は教会に入りました。
教会は簡素ですが綺麗に飾られていました。みんなから愛されていることがひと目でわかりました。
彼はひざまずくと、十字を切りました。
没収はありませんでした。
 
この話をしたときS教授は言いました。
 
「我が家は神に救われた」
 
いえ、違うと思います。S教授の一家が周囲の人を救ってきたからだと思います。

きょうは映画ブログもここも同じ内容です。


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コメント

  1. なんしぃ より:

    神がいたら救われたいと思って生きてきましたが、そもそも救われるという状態の固定概念が読んで崩れました。たくさんの人を宗教や国境を越えて救っている人達が神に救われたと発言している様子に、神は天の上から見下ろして下界の人を救う存在ではなくて自分ではちっとも人を救ったという感じがしないむしろ救われたという感じのような気がしました。そんな神ほど人を救っている感じがして、仏教でありながら教会を建てるという行為は相手を受け入れ自力で何か意図的に為した感じがしないように思いました。神も意図的に人間を救うことがないとしたら結果的にすべての人を救っているような気がしました。S教授の一家はすべてを認める神となにか同じ生き方をしているような感じがしました

  2. まるこ より:

    「運命引き寄せの黄金律」の歌詞が思い浮かびました。「全てはめぐって自分に還る」S教授のご家族は周囲を大事にすることをごく自然にされていたのだと思います。だから何ら特別なことをしていないのにGHQに解体されずに済んだというお気持ちがあり、「神に救われた」と思われたのかもしれないと思いました。お庭に教会を建てられたことが、もりけんさんがS教授に出会われるご縁の起源となった。時空がそんな風に繋がっているなんて誰も想像できなかったと思います。そして私たちはこのお話に象徴されているような、時空ネットワークの繋がりの全貌をまだ知らないのだと思います。こうやって何気なく生きている間も、全ての繋がりが生きて動いているのだと思いました。

  3. みっく より:

    上智の教授になることも、GHQの没収から逃れることも、S教授の希望や願望ではなかったと思います。でも、向こうからそれがやってきたのは、S教授のおうちが、宗教の隔たりなく、地域の人のために、持っておられる土地やお金という財産を使って、教会を建てたからだと思いました。S教授のおうちは、ひたすらギブすることに躊躇が無かったんだと思います。日本には多くのお金持ちや土地持ちの人がいると思いますが、こんな風に自分や家族以外の人のためにそれらを使い、そこに沢山の人が集うというおうちはなかなかないのではないかと思います。

  4. 和佳 より:

    すごいお話だっておもいました。森田さんと先生の縁は…仏教徒が敷地内に立てた教会にあったのですね。時を経て…やがて日本で随一のカトリックの場所に…先生が呼ばれってたのだとおもうと鳥肌です。没収されなかったというお話もほんとすごいとおもってて…敵国の真ん中に愛する人が生まれていたら…というのを思い出したりしました。先生もすごいし 学長さんも凄い、様々な情報を発信してる森田さんも そこに降り立った将校さんも…なんか凄いと思います。

  5. なんしぃ より:

    S教授の一家のように生きていると周りの人が集まり周りの人もとても嬉しい気持ちになってS教授のお家に集まりたくなる感じがして、たくさんの人が分け隔てなくともに生きている感じがしました。そこには戦争というものが発生できない様子を思いました。互いに必要とし、互いを信頼し互いを排除しない姿は善悪のものさしのようなものがない感じがしました。正義感もないギリシャ神話のお話しも誰が悪とか善とかなかったと感じます。神でさえも人間的であり、人間というものは神がつくったとしたらどのような人も神の子供であり、すべて平等ですべての人は誰かのために存在している感じがして、自分のために存在している人は誰もいない感じがしてきました。人間も動物も生き物も教会も物質も宇宙のすべてを神が設計したとしたら、神の性質を持っている感じがしてS教授の一家は皆が幸せになる黄金比のように美しいと感じました。すべてを認めるルールの神とともに生きている様子を感じました

  6. まりん より:

    地域のクリスチャンのために建てられた教会に救われた方たちはどれほどたくさんいらっしゃったかわかりません。上智の学長さんとの縁も、そして森田さんとの出会いも、元をたどればこの教会から生まれたんだなと思います。宗教の垣根をこえた教会は、その地域のクリスチャンの方々だけでなく、アメリカの将校の心をも深く打ったんだと思います。S教授のご一家は、そんなふうに縁をつなぎ、宗教の垣根をこえた教会を作られて、それはまるでワンネスの世界を形にされてるみたいだなぁって感じました。S教授ご一家の、周りのクリスチャンたちへのあたたかい思いやりと、宗教を超えた寛容さに、胸がいっぱいになります。

  7. 小町 より:

    S教授のお家が大地主だとして、周囲の人を見ていなかったら、こんな展開は無かったと思います。先生のお父さんと仲良しでないと上智大学の学長は勉強もキリスト教も縁が無かったかもしれません。小さな教会を作って、周囲の人との縁を繋いでいたと思います。それは大地主だったからじゃないと思ってきました。同じ宗教を信じる心が繋がっているんだと思います。その小さな繋がりが先生と、もりけんさんを繋いでくれていると思います。ジーーンとしてきます。

  8. どせい より:

    S教授は、八木アンテナ㈱に入られましたが、八木博士が亡くなったあと、退社されて無職になったのだと思います。そして、職業安定所に通っていたとき、上智の学長から連絡をもらって、それで教授になったのだと思います。・・・すごい縁です。全ては、教授の自宅に教会があったことが縁の始まりなのだと、思います。

    第二次世界大戦後、GHQが進駐してきたときも、教授の実家は土地の没収を免れて、「我が家は神に救われた」とおっしゃっていますが、森田さんは、そうでなくて、「S教授の一家が周囲の人を救ってきた」からだと
    考えられたのだと思います神に救われたつもりが、実は救っていたのは自分の方であったというのは、・・・すごいエピソードで、とても深くて、考えさせられます。

  9. ばらんす より:

    S教授の家は大地主だったのに、戦後の農地改革で没収されなかったことに大変驚きました。奇跡じゃないかって。将校を心から感動させたのだと思います。現場の将校や上の人間も動かしたのだと思います。将校はキリスト信者で同朋のために教会を建てたことに感謝もあったろうけれど、宗教、人種や文化を超えた普遍的なものに出会ったのだと思います。上智の学長の言葉もそうなんじゃないかと思いました。

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