盛り上がるコンサート

2013/03/29 6:39 AM

盛り上がる観客20100321170838DSC06924s私には、S先生と奥様との間に来賓席が用意されていました。
 コンサートは素晴らしいものでした。チェロの響きが古い邸宅にこだまします。けれど現代調にアレンジした曲になると、チェロを指でつま弾くのです。これがリズムを作り出しました。音楽がノッてくると来場者は手拍子を取りました。みんな興奮しています。
 
 二時間のプログラムが終わると、みんな高揚した顔です。しかし私は東京に帰らなければなりません。先生は言いました。
「森田君、靴を間違えないように」
 そうなのです。玄関には100人ほどの靴が置かれていたのです。

 帰り道、先生の随筆の言葉がもう一度思い出されました。
「野望は自分の欲を満たすだけのもので、志は『みんなのため』を基盤とした夢を持つことにほかなりません」
 ご自分の家をこういう形で解放することは、やはりエネルギーがいることだと思います。家具が傷つけられたりすることもあるでしょう。
来場者はみんな素敵な顔をして帰っていきました。1ヵ月前にチケットが売り切れた理由もわかります。近代的なコンサート会場にはないものがここにありそうです。
ここにくれば何かが癒されるのです。

映画ブログもここも同じ内容です。
http://113.43.197.61/themovie/


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コメント

  1. まるこ より:

    近代的なコンサート会場でチェロを前に観衆が手拍子を始めることは無いと思います。観衆は黙って作品を鑑賞していることが暗黙の了解のようになっているのだと思います。作品を演奏する側とそれを聴かせてもらう側の距離も最初から最後まであまり変わらないことが多いのかもしれません。でも、S教授のご実家でのコンサートでは、演奏が進むにつれて演奏者と観衆とが自然と繋がるということが起こったのだと思いました。それが手拍子となって表れたのだと思いました。S教授はご実家のスペースをこのような形で提供されることで、みなさんが繋がりを感じられる場を作られているのだと思いました。S教授はこういうことを「志」と呼ばれているのだと思いました。それは繋がりを思い出すことでもあり、結果として癒しを生むことでもあるのだと思いました。

  2. 和佳 より:

    家を開放する…本当に凄いと思います。なかなかできないです。普通は自宅は…ごく個人的な…プライベート空間として分けてく方向にあるものじゃないかなって。しかも…なんか集まってる方にお綺麗な方が多いなと思いました。なぜだか…お話に合った教会の中を拝見してるかのような気持ちがしてます。とても愛されてる場所なのだとおもいます

  3. より:

    家をみんなのために開放するということはなかなかできないのではないかと思います。
    しかもクラスでいえば3クラス分くらいの人数です・・。風水から見ても、癒される空間だったのではないかという気がしました。。

  4. みっく より:

    チェロはゆったりとしたイメージですが、それを現代風の曲になるとつま弾いたりして、演奏者の方も形にこだわらない演奏をされたのだなと思います。素敵な空間と素敵な演奏で、来場者の方々は本当に素敵な時間を過ごされたのだと思いました。もりけんさんには教授と奥様の間に席を用意され、S教授がもりけんさんが来てくれて会えたことが本当にうれしかったのだなと思います。お写真を拝見できてうれしいです。

  5. ばらんす より:

    みんなで手拍子を取っていて、楽しそうな雰囲気が伝わってきます。コンサートが終わって、「よかったね」って、みんなで言っている様子が思い浮かぶようです。一か月前からチケットが売り切れてしまうって、すごいことだと思いました。地元の方々が、本当にこのコンサートを楽しみにされているわかります。「ここに来ると何かが癒されるのです。」に、人と人とのつながりの大切さを思い出させるような、そのような場なのかなと連載を通じて思いました。

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