映画「ワンネス」では水島教授の授業に、次のスライドを出すことになりました。
「低次元
モールス信号を作ったモールスが公開実験した翌日、
新聞は、空間が消滅したと報じた。
モールス信号は一次元だ。
次元を落とせばいつでもどこでもの世界になる」
このスライドが脚本の段階で入っていれば、水島教授のフォローがあったはずです。
しかしプレミアム上映会のあとで挿入が決まったのです。ロケのやり直しはできません。
この文章がスクリーンいっぱいに出るだけです。10秒間で読んでもらわなければならないからです。
母国語が日本語の時に放映されるときは問題ありません。
しかし英語とフランス語の翻訳が入ると別です。
スクリーンが文章だらけになります。
それなので、日本語をカットしました。
外国人にとっては日本語は邪魔だからです。
つまりですね、この瞬間、映画「ワンネス」は、母国語が英語かフランス語に変わるのです。
日本人がこの映画を見ていると、たぶん理解できないと思います。
映画にとって言語の問題は、面白いです。
スライドを出すシーンでは、スクリーンに出る文章が外国語だけになるのだなと思います。英語とフランス語の字幕が入ると別の映画みたいになりましたが、この瞬間は日本人にとっても何か違った映画になる感じで、すごく揺さぶられそうだなと思いました。日本から発信される映画だけど、日本人も理解できないって面白いことになっているなと思います。映画にとっての言語の問題は視点がガンガン移動させられる感じだなと思いました。
脚本の段階にはなかったスライドが プレミアム上映会の後ではいり、翻訳の際には日本語は全く出ない個所になるのだなと思いました。。それまで日本語ありきの翻訳した結果というかで…サブの脇役的に頑張ってた英語やフランス語字幕が 突然結果だけメインでやってますみたいな…なんか不思議なことがおこるようだとおもいました。日本語圏の私達からしたら…一瞬 メインの信号消えてなにかの文字がおどってる映画になったみたいな 謎めいたものになるんだなって思いました。
この文章はカッコいいです。だから外国人の方が見たときも、この文章を10秒間、日本人の私と同じように、理解する時間になると思いました。頭の中の動作がきっと一緒になるのだと思います。
「ワンネス」は、日本映画でありながら、「字幕を入れる」ということから、これまでと違う視点をもったと思います。同じ映画でありながら、日本人が見る視点と、外国人(英語・フランス語)が見る視点とで、異なる2つの視点がある映画だと思いましたが、この水島教授のシーンで、むしろ、日本人が見る視点より、外国人が見る視点を優先させたのだと思います。すごいです。ワンネスは、最初から、全世界を視野にいれた映画だと思います。日本という、小さな一国だけで終わることなく、全世界をターゲットとしていると思います。映画「ワンネス」が扱っているテーマや内容ともふさわしいです・・。
人種や国籍を超えていると思います。単に日本で作られた映画に、字幕を入れただけではないです。画期的な出来事ではないかと思います。
映画「ワンネス」が、英語やフランス語を母国語としている人向けの映画でもあるという感じがしました。日本人向けだけではなく、英語と並んで、フランス語でというところに、フランス人はとてもうれしいように感じると思いました。英語を母国語としている国もたくさんあると感じました。その国の人々が見て、自分のことのように思う感じがしました。母国語とスライドが関係があるような感じがしてきました。日本語が消滅したことで、他の国のひとびとが母国語としてワンネスを見るようになると思いました
日本語が邪魔というところが、とても面白いと思いました。私たちにとって対象を理解するために必要な日本語が、外国人にとっては純粋にノイズにしかならないということなのだと思います。低次元の情報と繋がるのに私たちは日本語を使い、外国人は英語かフランス語を使う。日本語というノイズを減らすことで、情報に繋がりやすくなる外国人。言語と同じように私たちの意識にもノイズが存在して繋がりを邪魔していることがあるのかもしれないと思いました。
低次元についての興味深い内容の文章が、後からスライドで入れたスライドで入れるということをされたからこそ、言語を調整することもできたんだと思います。日本で、日本人である森田監督が作った映画なのに、日本語が消滅し、母国語が英語かフランス語になるというのが、とても不思議な感じがして面白いです。見る人によって変化してるみたいに思います。この映画を見た外国の人は、このスライドが移される10秒の間に、日本の映画なのに日本語がカットされている・・・とまでは、一回見たぐらいでは気づけないかもしれないけど、このスライドの言葉をしっかり読むことができ、映画をより深く楽しむことができるのだと思います。見る人に寄り添っている感じがします。